1990年に設立されたアメリカの動物保護団体の一つである Alley Cat Allies(ACA, ノラねこ同盟)は、主にノラねこのTNRを通じてねこの殺処分ゼロをめざしています。加盟員(サポーター)数は26万人と、なかなかに大規模です。この団体が啓発のために提唱したのが National Feral Cat Day(全米ノラねこデー)で、第1回は2001年ですから今年は12回目ということになります。ACAのサイトから紹介します。

Alley Cat Allies(ノラねこ同盟)は、ノラねこに対する人道的な扱いを促進するために、10年ほど前に National Feral Cat Day(全米ノラねこデー)を定めました。わたしたちがこれまでに進めてきたTNRの重要性を社会に広めていく運動は、年々支持を集め、小さな町から大都市までの心ある人々によって支えられるようになりました。昨年2011年には全米、そして世界中で、数百のイベントが開催されています。今年はさらにそれを上回る数にしたいとわたしたちは考えています。あなたも参加してみませんか? 活動資金を集めたり市民啓発を図るための単発のイベントでも、あなたの街のねこを取り巻く環境をよりよいものにするための持続的な活動や計画に加わるのでも、どちらもわたしたちは歓迎です! そこから「ねこだすけ」は始まるのです!

……てな感じで、Eventsコーナーに飛んでみると、肉球スタンプで391のイベントが地図上に登録されています(残念ながら日本でのイベントは登録されていませんし、アメリカ以外ではイタリアで1件登録されているだけです。まあ「全米」ノラねこデーですからね)。

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なんか「ねこバカ」度が高いマップです。

このACAという団体のサイトを見ていくとけっこうおもしろいのですが、さるねこ父が「へー」と思ったことの一つに「ねこ友オンラインネットワークを作る」というのがあります。TNR活動を行なうひとびと向けの「お世話係 Yahoo!  Group」とか、「大学ねこメーリングリスト」とか「ねこ友 Yahoo! Group」とかいうかたちで、全米の各地に散らばるTNRグループ(地域ねこ活動グループ、といった方がわかりやすいですね)を緩く結ぼう、お互いに手を貸し合おう・声を掛け合おう、という活動を行なっているのです。

日本で地域ねこ活動グループは、全国でみればけっこうな数になっていると思いますが、ACAのようにそれらを束ねるようなしくみは見当たりません(さるねこ父が知らないだけかもしりませんが)。日本とアメリカでは人同士の結びつきのあり方が異なるから、一概に「日本ノラねこ同盟」とか「全日本地域ねこ連合」を作ればいいってもんでもないでしょうが、これからはもっと地域間の横の連携を強化していく方向へ進んでいくべきかな、とさるねこ父は思います。どこでも、やっていること・悩んでいること・必要とされることは、そう変わらない気がしますから。

10月8日に、こちらのちびちゃん(三毛・1歳・♀)が協議会の助成で不妊化手術を受けました。

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ちびちゃんと、ちびちゃんが夏に産んだ子ねこ4匹のうちの3匹

ちびちゃんと4匹の子ねこをお世話されているUさんは、M町のNさんとSさんが働いている工場に以前勤めていらっしゃった方です。自宅に室内飼いのねこのたまちゃんが1匹いますが、ちびちゃんは家の裏手の山から時々下りてきては餌をもらっていた外ねこさんでした。

おなかの大きかったちびちゃんがしばらく姿を見せなくなっていたのですが、ある日いきなり5匹の子ねこを連れて再登場しました。ちょうどそのときに、自治会回覧で「不妊化手術の重要性」のチラシが回ってきて、困ったUさんは以前の職場のNさんとSさんに相談、そこから話がまとまって今回の助成による手術となったわけです。

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9月7日に不妊化に関する相談を受けたときに撮影したちびちゃん

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一番小さかったこの子(チャトラ・♂)は、ほかの子の半分くらいの大きさしかなかったけれど、どうにか生き延びました。

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ほかの4匹です。全然こっちを向いてくれていませんが、奥のシロ三毛と手前のチャトラ三毛がメス、左のキジと真ん中の少しチャトラが混じるキジ(この子はその後亡くなります)はオスです。

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手前で向こうを向いているのがシロ三毛。奥3匹左から、涙目のキジ、少しチャトラが混じるキジ(後に亡くなります)、チャトラ三毛です。

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シロ三毛ちゃんのあくび

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子育て中のちびちゃん。おっぱいを飲んでいるのは、涙目のキジ。

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こちらは10月14日撮影で、左からチャトラ・ちびちゃん・涙目キジ・シロ三毛。

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Uさんがごはんを持って出てきてくれるのを待つちびちゃんとチャトラ。

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「ごはんだ、ごはんだ」

 

シロ三毛ちゃんとチャトラ三毛ちゃんも、いずれ時期が来たら不妊化手術を受けさせる予定です。Uさん宅のすぐ近くには別の餌やりさんもいるようで、ゆくゆくはそちらにもお話をして不妊化してゆけるとよいなと考えています。

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自治会向け啓発ちらしをご覧になって、Uさんは外ねこの不妊化手術に踏み切って下さったわけで、こうした啓発活動にも少しは意味があるんだなーと思わせてくれた事例となりました。

M町の地域ねこ現場に遺棄されたり迷い込んで来た子ねこについては、随時記事にしていますが、この夏から2匹、成ねこが居つくようになりました。

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シロクロオジチャン(シロクロ・♂・4~5歳?)は、大柄ですが非常に穏やかな性格をしています。鼻の脇のぶちがご愛敬。

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しっぽは長しっぽで、途中がくねっと曲がっています。

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物静かで、人慣れしています。どこかで飼われていたんじゃないかな。8月ごろから姿を見せるようになりました。いまはすっかり居ついています。

 

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オジョウサン(チャトラサビ・♀・1歳ぐらい)は、ふさふさと長いしっぽが特徴です。

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「お嬢さん」って感じです。こちらは9月ごろから姿を見せるようになりました。完全に居ついたとは言いづらく、まだあちこちの餌場を転々としているようです。

 

現在お世話しているのは、次の15匹+海くん・波ちゃん・竜くんで18匹になります。

  1. アラノスケ(三毛・♀不妊化)
  2. ナナ(チャシロ・♀不妊化)
  3. オネエチャン(キジ・♀不妊化)
  4. ギコちゃん(サビまじりキジ・♀不妊化)
  5. さくら(サビまじりキジ・♀不妊化)
  6. オジョウサン(チャトラサビ・♀)
  7. なおくん(薄茶・♂)
  8. チャー(薄茶・♂)
  9. ヨソオジチャン(キジシロ・♂)……2012年5月時点では主に別の餌場にいましたが、6月ごろからこちらが主になったようです。
  10. ツバメ(キジ・♂)
  11. かえで(チャシロ・♂)
  12. コパンダ(キジシロトビ・♂)
  13. ちゃとらん(チャトラ・♂)
  14. ちゃたろう(チャトラ・♂)
  15. シロクロオジチャン(シロクロ・♂)

協議会第2期会計(2011年10月1日~2012年9月30日)の会計報告です。

収     入 支出及び残高
項  目 金  額 項  目 金  額
繰越金 276,233  印刷費 8,729 
カレンダー売上 908,000  振込料
カレンダー寄付 86,700  発送資材及び送料 27,610 
預金利息 122  正会員活動補助費 50,700 
自己負担金 45,000  不妊化手術助成金 177,150 
立替金精算 1,659  立替金 50,270 
会費 6,000     
雑収入 10,000  小  計 314,459 
    差引残高 1,019,255 
1,333,714  1,333,714 

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(いずれも2012年8月14日撮影)

 

地域ねこチャリティーカレンダー「ながさきの地域ねこ 2013」の表紙を飾ってくれたM町地域ねこ現場のグーグーが、9月30日、交通事故で亡くなりました。まだ2歳の若さでした。

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Nさんに抱っこされるグーグー(2011年6月19日撮影、右のもう1匹はすずめちゃんだと思います)

 

長毛でライトグレーと薄茶の混じった特徴的な毛並みと、ごろんごろんと転がる愛嬌のあるしぐさで、M町の地域ねこ現場に最初に入ったときからすぐに名前を覚えた子でした。2011年8月21日には、アイちゃん(2011年10月11日病死)とともに、長崎県地域猫活動連絡協議会の最初の不妊化手術助成を行ないました。いろいろな意味で、とても印象深いねこさんでした。

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子ねこの世話をしてやる珍しいショット(2011年8月25日撮影、このちびキジシロは、現場に現れて2週間足らずで亡くなりました)

 

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Nさんに抱っこされるグーグー(2012年6月17日撮影)

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(2012年6月17日撮影)

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(2012年7月15日撮影)

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(2012年8月14日撮影)

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ちゃとらんとグーグー(2012年8月14日撮影)


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この道でグーグーが車にひかれているのを、譲渡会から帰ってきたNさんが見つけました。ちょうどこの写真のグーグーが見つめる視線の先あたり。

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現場は、200mしかない防波堤上の直線道路です。たったそれだけしかない距離を、横切るグーグーを見て止まれないほどのスピードで走る意味がわからない。

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アレンジメントは、グーグーの雰囲気に合わせて、少し大きめの明るい花でつくってもらいました。

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十六夜の月光の道を通って、グーグーは天国に渡ったかしら。

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